【考察】映画『ラストマイル』ラストシーンの五十嵐（ディーン・フジオカ）の行動の意味は？

映画『ラストマイル』のラストシーンの五十嵐（ディーン・フジオカ）の行動について、疑問に思っていますか？

作中、常に落ち着いていた五十嵐（ディーン・フジオカ）が急に慌ててロッカーを探し出すシーンです。

あのシーンの意味について考察します。

まだ映画を見ていない方は、鑑賞してからご覧くださいね。

【考察】『ラストマイル』ラストシーンの五十嵐（ディーン・フジオカ）の行動の意味とは？

終盤、エレナはサラとオンライン通話をした際、「爆弾はもう一個ある」と言ってパソコンを閉じましたよね。

その後、サラから五十嵐（ディーン・フジオカ）へ「爆弾がもう一つあるとはどういうこと？」と連絡はあったでしょう。

五十嵐は考えた結果、筧まりかについての情報を求めて、山﨑のロッカーを必死に探したのではないでしょうか。

もしくは、山﨑の遺書が残されているのでは、と思ったのかもしれません。

必死でロッカーを探した結果、初めてあの暗号を目にしたのではないでしょうか。

作中で山﨑のロッカーの文字について、色んな人々が見に来るシーンがありましたよね。そこに、五十嵐の姿は見当たりませんでした。

五十嵐は、ロッカーの中の文字をこれまで見たことがなかったのではないでしょうか。

最近のディーンさん、背景に過去の辛い出来事があるという役が続いたので。#ラストマイル も、単に主人公の上司で終わらないのでは？と深読みしてしまう😅

様々な役の積み重ねが演技の厚みに繋がっていて。
背景を想像させる俳優になっていたら素敵だな、と思う✨#ディーンフジオカ #五十嵐道元 pic.twitter.com/f44TJmQbxa

— 紺野沙碧 (@konno_sao) April 10, 2024

【考察】『ラストマイル』五十嵐（ディーン・フジオカ）の思い込み

五十嵐はこれまで、山崎が弱い人間だから飛び降り自殺をしたと思い込んでいたのでしょう。

しかし、山崎は過労で正常な判断ができない中、ブラックフライデーへの恐怖も相まって、70kgの自分がベルトコンベアに落ちれば、それを止められるかもしれないと思って飛び降りたのだと気づいたのです。

さらに、ファストジャパンの罪、つまり過労死寸前の山崎が飛び降りたことを揉み消した五十嵐。

その結果として連続爆破事件が引き起こされたことを暴く証拠として、あのコインロッカーはデリファスにとって最後に残された爆弾であり、五十嵐にとっても自身の失脚につながる危険な証拠だったと言えるでしょう。

「山崎は恋人との関係に悩んでいた」と話した同僚が、実は五十嵐だったのではないかという推測も成り立ちます。

そのため、五十嵐は初めてコインロッカーに書かれた内容を見て、山崎の真意、つまりベルトコンベアを止めたかっただけだということに気づきます。

そして最後に、呆然とあの場所からベルトコンベアを見下ろしていたのではないかと思います。

また、もし五十嵐がコインロッカーの存在を知っていたら、真っ先に処分していたでしょう。

そのため、このコインロッカーは現場の社員が五十嵐にバレないように、そっと後任者に伝えて秘密の存在として守り続けられてきたのだと思います。

この爆弾を爆発させるか、つまり告発するかどうかは、次のセンター長に就任した孔に託されたのでしょう。今まで当事者意識の薄く、現状維持を希望していた孔が、その重さに気づいたラストシーンだったのだと思います。

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まとめ

映画「ラストマイル」のラストシーンは、登場人物たちの隠された思いと真実が交錯する瞬間でした。

山崎が残したコインロッカーの文字が示すのは、彼が追い詰められた末に見つけた一縷の希望と、自分自身の信念を貫いた証でした。

五十嵐は、自分が抱えていた誤解と後悔、そして社会という巨大な歯車の中で見失っていたものに気づかされます。

物語の最後に、観客はただのフィクションにとどまらず、現実の社会問題を反映したこの作品が投げかける問いかけに深く考えさせられることでしょう。